児童書『泣くなツイ』

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【児童書 No.3】
#泣くなツイ
#長谷川集平・作
#文研出版
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名作。30分で読み終わる短い物語。でも龍次の気持ちを想うと胸が熱くなって、涙がでた。
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しなやかな心の男の子、龍次。龍次はある日、一匹の子犬と出会った。子犬は首輪をつけていたけれど、なつっこい顔をして龍次のあとをついてきて、龍次から離れない。仕方なく、そのまま船場家で預かることになった。あとをついてきたから、ツイと名付けた。
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本当の飼い主が見つかるまで、ツイを預かろう。みつかったら、返すんだ。そうわかっていても、龍次は深くツイを愛した。賢くて可愛いツイ。でも、夜になると悲しそうな声で泣く。龍次はベッドのなかで祈るように呟く。「ツイ、泣くな。泣くなツイ。」
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心に染みわたる、素晴らしい物語だった。タイトルと作者に魅かれて読んでみてよかった。小学中級から読めそうな文章量と内容の親しみやすさ。犬を愛する人や、兄弟姉妹のいる方にもおすすめです。龍次と兄・勘太郎との絆の深まりも胸アツ。それにしても、清々しい読後感。手もとに置いておきたい一冊です。