たいせつな絵本『てのひら』
園に通いはじめたばかりの頃、
娘は不安だったのか、登園前によく泣いた。
人見知りっ子の娘は、
私とバイバイするときも涙をこぼし、
先生の元気な挨拶にもしょんぼりしていた。
そんな頃、この絵本にであった。
娘は毎日毎日、読んで欲しいと持ってきた。
ゆうちゃんは、園に通い始めた3才の女の子。人見知りで、なかなか園に馴染めない。でも、お母さんがしてくれた元気のでるおまじないで、少しずつ元気になっていって・・・。
この絵本に、とても印象的なシーンがあった。
それは、ゆうちゃんが初めて先生に挨拶できたときのこと。
「そのこえは、とっても ちいさい ちいさい こえでした。ちいさいけど はじめて いえたね。」
その言葉に、はっとした。
「挨拶しようね」と子どもに言って、
子どもがやっとの思いで「おはよう」と小さな声で言ったとき、
「おはようございます、だよ」とか、
「ほら、もっと大きな声でいわないと」とか言っておりました、わたし。小さな一歩でも、ドキドキしながら踏み出したその一歩は、
とてもとても大きな一歩なんだよね。
それに気づけるお母さんでありたいなぁと思った。
未だ気づけないこと多々ありますが。
いまも娘はこの絵本をよく持ってくる。
すこし逞しくなった娘は、ゆうちゃんを励ます。
そのたびに、わたしは胸がいっぱいになる。