たいせつな絵本『図書館に児童室ができた日』

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#図書館に児童室ができた日
図書館において、児童室はなくてはならない存在だ。それは、子どもこそが、自由に借りられる本を必要とする人たちだから。大人は本屋で立ち読みしても怒られない。でも、幼い子どもは?大人はネットで本を注文できる。でも、幼い子どもは?自由に棚から本を選び、好きなだけ読める幸せを、幼い子どもたちに存分に味あわせてあげられる空間は、図書館の児童室しかない。家庭でそれができれば幸いだろうけど、そうはいかない家庭も多々あるだろう。だから、子どもに開け放たれた図書館は必要なのだ。
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この絵本は、児童図書館サービスの先駆者となった、アン・キャロル・ムーアの生涯を紹介している。自分の考えをしっかり持った女の子が、大人になって、NYの新しい大きな図書館に、素晴らしい児童室を作ったのだ。その業績を知り、感謝の想いが込みあげた。
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そして、日本の先駆者たちにも心からの感謝の気持ちを。かつら文庫を開いた石井桃子さんをはじめ、日本の図書館に子どもの居場所を作ってくださった方々、いまなお心を尽くして子どもに本を届けてくださっている方々、ありがとうございます。自由に棚から本を選び、好きなだけ読める幸せ。その幸福を存分に味わえる空間。本の森、本の海。陽射しのなかに座り、古い紙の香りを吸い込む。物語に潜り、旅をする。その空間を、わたしは子どもの頃から愛していた。
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『図書館の児童室はいま、陽光と活気と美しさにあふれ、常識に律された場所になっている。それはアン・キャロル・ムーアの尽力によるところが多い。彼女は、窓を開け放ち、こういったのだ。「ちょっとばかり風通しがよくなったからって、なんの害もないはずよ」』(ヘンドリック・ヴァン・ルースとグレース・カスタグネッタ著『クリスマス・キャロル』前書きより)
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